ご家族のご逝去の知らせを受けた直後は、深い悲しみの中で「誰に、何を伝えればよいのか」が分からず、不安になりやすいものです。葬儀にふれる機会は多くないため、「何から進めればよいのか分からない」というお気持ちは自然なことです。
この記事では、市川市でご葬儀を進めるときに、混乱を減らしやすい連絡の順序と、相手別の伝え方をまとめました。最初に確認したい内容を先に整えることで、連絡が短く済み、心の負担も少し軽くなります。
著者|中野
藤井祭典
市川市で50年、地域の皆さまに寄り添ってきました。 “小さな葬儀社だからこそ、小さなところまで気づける”運営を続けています。
その現場感のある知見をもとに、市川市を中心とした葬儀に関する情報をを分かりやすくお伝えします。
まず最初に整える「連絡メモ」
ご逝去直後は心が大きく揺れ、普段どおりに判断することが難しくなります。先に「伝える材料」を一枚にまとめると、どの相手にも落ち着いて説明しやすくなります。紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。
連絡前にそろえておきたい基本情報
| 確認項目 | 書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 故人さまの情報 | 氏名/年齢/住所(市川市かどうか) | 住所は火葬場や式場の案内で聞かれやすい項目です |
| ご逝去の状況 | 日時/場所(病院・施設・ご自宅など) | 場所により、次に連絡する先が変わることがあります |
| いまの安置場所 | 病院/施設/ご自宅 など | 搬送や安置の相談で必要になります |
| 連絡の窓口 | 連絡者の氏名/電話番号/続柄 | 「折り返し先」が一つにまとまると混乱が減ります |
| 喪主の候補 | 喪主をお願いする方(未確定でも可) | 決まっていない場合は「調整中」と添えれば十分です |
| 菩提寺・宗派 | 菩提寺の連絡先/宗派(分かる範囲) | 分からない場合は空欄で大丈夫です |
| 職場の情報 | 故人さま/ご自身の勤務先・部署 | 休みの連絡や、社内の調整で役立ちます |
メモができたら、ご家族がそばにいる場合は写真で共有しておくと、連絡を分担しやすくなります。連絡は「完璧に伝える」より、「必要な事実を短く伝える」ことが大切です。
連絡の優先順位
連絡には順番があります。
と混乱が少なくなります。状況によって前後しても問題ありません。
混乱を減らしやすい連絡の順番
- 同居のご家族・近くに住むご家族:まずは短く事実だけを共有します。
- 葬儀社:搬送や安置の相談が必要になるため、早めが安心です。
- 近いご親族(親・子・兄弟姉妹など):日程が未定でも、第一報として伝えます。
- 職場(故人さま・ご自身):数日休む見込みを先に伝えると調整がしやすくなります。
- 近隣の方・町会(自治会)など:人の出入りが増える場合は、落ち着いたあとに一言で十分です。
- 友人・知人:日程が決まってからの連絡でも問題ありません。
第一報の段階で大切なのは、「詳しい話を全部すること」ではありません。特にご親族には事実+今後の予定は未定まで伝えれば十分です。
家族・親族への伝え方
親族への第一報は、できるだけ電話で伝えると、相手の反応を見ながら配慮しやすくなります。特にご高齢の方には、最初に「今お話ししても大丈夫ですか」と確認するだけでも、相手の負担が軽くなります。
電話と文字連絡の使い分け
| 連絡方法 | 向いている相手 | 良い点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 電話 | 近い親族/高齢の親族 | 状況を短く伝え、相手の体調も確認できます | 長話になりやすいので「まずはお知らせ」を意識します |
| LINE・メール | 親族のグループ共有 | 日時・住所などを正確に残せます | 感情的な文章になりやすいので、事実を中心にします |
| 手紙 | 住所しか分からない知人 | 葬儀後のご報告に向きます | 時間がかかるため、急ぎの連絡には不向きです |
電話で伝える内容の例
この一言で十分です。日程が決まったら、次は文字で「日時・場所・集合のめやす」を送ると、相手が見返しやすくなります。
職場への連絡と勤務調整
ご逝去は急に起こることが多く、仕事との調整に不安を抱く方は少なくありません。日程が確定していなくても、分かる範囲で早めに連絡して問題ありません。職場には「何日休むか」を完璧に言うより、「数日休む見込み」を先に伝えるほうが調整が進みます。
上司に伝えると整理しやすい項目
- 故人さまとの続柄
- 亡くなられたおおよその日時
- 休みの見込み(例:本日から数日)
- 急ぎの引き継ぎが必要な業務があるか(ある場合は要点だけ)
職場への例文
休暇の扱い(慶弔休暇・年次有給休暇など)は会社の規定によって異なります。まずは休みが必要なことを伝え、詳細は落ち着いてから整えれば大丈夫です。
葬儀の内容ごとに必要になりやすいお休み
| ご葬儀の内容 | 必要になりやすい日数の目安 |
|---|---|
| 火葬式 | 1〜2日 |
| 一日葬 | 2日前後 |
| 家族葬(2日) | 3日前後 |
「どれを選ぶべきか」が決まっていない段階でも問題ありません。葬儀社に相談しながら、無理のない日程を一緒に考えることができます。
葬儀社への連絡で伝えること
葬儀社への連絡は、できるだけ早めが安心です。理由は、安置場所の相談や搬送の手配、火葬場・式場の空き確認など、「手配が必要なこと」が早い段階で出てくるためです。情報が全部そろっていなくても大丈夫です。
葬儀社へ伝える内容
- 故人さまのお名前/年齢
- 亡くなられた日時/場所(病院・施設・ご自宅など)
- 連絡者のお名前/続柄/折り返し先
- 希望する安置場所(ご自宅か、安置施設か)
- 参列の規模の希望(家族中心か、一般参列もあるか)
市川市在住の方は、市川市斎場を利用する選択肢もあります。市川市斎場は休場日があり、火葬枠にも限りがあるため、葬儀社と相談しながら早めに空き状況を確認すると、日程が整いやすくなります。
市川市役所に関わる手続きの見通し
役所の手続きは、期限があるものと、落ち着いてからでよいものがあります。全部を一度に終わらせる必要はありません。「何が早めで、何があとでもよいか」を分けるだけでも、気持ちの負担が軽くなります。
主な手続きの全体像
| 手続き | 内容 | 動く時期のめやす | 窓口になりやすい方 |
|---|---|---|---|
| 死亡届 | 市川市へ提出します | 早め(期限あり) | 葬儀社が代行することが多い |
| 火葬場の予約 | 日程調整の中心になります | 早め | 葬儀社 |
| 健康保険の手続き | 加入状況で必要な手続きが変わります | 落ち着いてからでも可 | ご家族で分担 |
| 葬祭費(補助) | 国民健康保険など、条件により支給があります | 落ち着いてからで可(期限あり) | 葬儀を行った方 |
| 年金・世帯主変更など | 状況に応じて必要になります | 落ち着いてから | ご家族で分担 |
手続きに必要な書類は、あとから探すと大変になりやすいです。封筒やファイルを一つ決めて、関係書類をまとめておくだけでも負担が減ります。
書類をまとめるときのコツ
- 病院や施設から受け取った書類は、同じ封筒にまとめます
- 役所・保険・年金の書類は、種類ごとにクリアファイルで分けます
- 「提出した日」と「問い合わせ先」をメモして一緒に入れます
日程が決まったあとの連絡で迷わないために
日程が決まると、連絡の中心は「正確な情報の共有」に移ります。この段階では、電話よりも文字連絡が役に立ちます。伝える内容をテンプレート化しておくと、連絡が短時間で済みます。
日程決定後に送る内容
| 項目 | 書き方の例 | 補足 |
|---|---|---|
| 通夜・葬儀の日程 | 〇月〇日(〇)通夜 〇時〜/〇月〇日(〇)葬儀 〇時〜 | 通夜を行わない場合は「一日葬」と明記します |
| 式場 | 〇〇斎場(住所) | 最寄り駅・駐車場の案内が必要なら一言添えます |
| 服装 | 喪服(または平服) | 案内に指定がある場合はそのまま記載します |
| 香典 | 香典はご遠慮 など | 家族の意向に合わせて統一します |
| 連絡先 | 当日の連絡先:〇〇(氏名) | 窓口を一つにすると混乱が減ります |
内容を一度整えてから送ることで、「言った・言わない」や「聞き間違い」が減り、喪主さまの負担も軽くなります。
よくある質問
親族への第一報で、日程が決まっていないと失礼ですか?
失礼にはあたりません。第一報は「亡くなった事実」と「日程はこれから」を伝えれば十分です。日程が決まったら、文字で正確に共有すると、相手も安心しやすくなります。
連絡が多すぎて、心がつらいです。
つらくなるのは自然なことです。連絡は分担できます。窓口の人を一人に決めつつも、「親族担当」「職場担当」のように役割を分けると、喪主さまの負担が減ります。文章は短く、事実だけにするほど心の消耗も減ります。
市川市斎場を使うか迷っています。どこから判断すればよいですか?
まずは「参列者が集まりやすい場所か」「希望日が休場日に当たらないか」「火葬枠が取れそうか」を確認すると整理しやすくなります。葬儀社に相談すると、空き状況も含めて一緒に確認できます。
まとめ
ご逝去直後は、悲しみの中で多くを判断することになります。だからこそ、最初に連絡メモを作り、連絡の順番を「同居家族 → 葬儀社 → 近い親族 → 職場」のように整えると、混乱が減り、気持ちも少し落ち着きます。
電話で第一報を伝えたあとは、文字で正確な情報を補うと、相手が確認しやすくなります。役所の手続きは、期限があるものもありますが、すべてを一度に進める必要はありません。できるところからで十分です。
ご不安な点があるときは、お一人で抱え込まずにご相談ください。状況をうかがいながら、必要な順に一緒に確認してまいります。
監修者|高橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮
葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。
著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。
2025年8月26日にはフジテレビ『サン!シャイン』にてコメンテーターとしてテレビ出演。

